茗荷の葉

うちの近所では、農道へ入っていく脇とか、よそのお宅の庭のはずれとか、あちこちで茗荷が茂っているのを見かけます。

いまぐらいの季節、茗荷の葉を見ると思い出すのは、亡くなった祖母がよく作ってくれた鯖の押し寿司です。
しめた鯖をそぎ切りにして、にぎり寿司の2倍ぐらいの量のすし飯の上下左右にはりつけ、きれいに洗った茗荷の葉を2枚、十文字に交差したもので、はみ出さないよう、まず1枚で縦に巻き、もう一枚で横に巻いて、きっちり包みます。
この包んだものを、サワラだったか、白木で作った縦長の浅いお重みたいな箱に隙間なく並べ、下駄みたいな足つきの蓋を、足の部分を上にして押し、もう1段か2段同じ箱を重ねて、最後に棒を通すための穴があいた縦枠みたいなものをかませ穴に押さえるための棒を通して、20分ぐらいだったかしら、置いておくというものです。

食中毒になりやすい時期でもあるので、すし飯はわりと酢を効かせ、鯖も同様にかなり酢を効かせたものでした。

出来上がったものは、茗荷の葉の香りと酢の香りで、食欲をそそります。
私は夏にはバテて食が細りがちな子どもだったのですが、これは大好きで、いくつも食べられました。

祖母の体が弱ってこういうことができなくなると、母が真似て作っていましたが、道具が壊れてしまったとかで、押していない寿司は葉の香りもあまり移らず、しっかりとした食感がなくて、何だか違うものという感じでした。
いまとなっては懐かしい味です。

2004 07 16 [グルメ・クッキング, 日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク